One Controlより新ドライブペダル、「Golden Acorn OverDrive Special」が登場!

エフェクター

伝説の音が、あなたの手にも。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。

さて、今もBJFシリーズでエフェクター界を賑わす新鋭ブランド、One Controlがまた大変なペダルを作りました。
Golden Acorn OverDrive Special。あのダンブルサウンドが、たったの3ノブであなたの音に宿ります。

ダンブルサウンドとは

すべてのアンプがオーダーメイド。

ダンブルDumble)とは人の名前で、伝説級のアンプビルダー、ハワード・ダンブル氏によって製作されたアンプを指します。
このアンプの最も大きな特徴といえば、全てのアンプが個人製作によるカスタムオーダーメイドということ。オーダーに合わせて1台1台作るので、同じモデルでも微妙に音が違います。ダンブルが作るアンプに、同じアンプは2台と存在しないのです。

プロだとラリー・カールトンやエリック・ジョンソンなどが有名ですが、逆に言えばこのような著名なプレイヤーしかダンブルアンプを手にすることができませんでした。
それというのも、製作の契約条件が大変厳しく、その厳しさは、ダンブルにアンプの製作を依頼するためには本人と面接して通らなければならないという説まであるほど。一般人が頼んで作ってもらえるような敷居ではなかったのです。

極上のサウンド。

1983 100-watt Dumble Overdrive Special Demo

そんな、限られた人しか触ることが許されなかったダンブルアンプ。どんなサウンドなのかというと、基本的にはオールドFenderアンプをモデルにしているらしく、実際のダンブルアンプには本物のFenderアンプのパーツが使われていることもあったそうです。
音のニュアンスもFenderに似ていますが、ダンブルアンプはそれに加えてレスポンスがとても早く、「弾く前に音が鳴る」と形容されるほど。また、ハリが出るので、クリーンでもへたらず、かつ分離感のある音は、Fenderアンプには到底真似できません。

価格の高さもありますが、ダンブルアンプが伝説と呼ばれる所以は、この極上の音と希少性にあるのでしょう。この音に魅了された職人たちが、誰にでもこの伝説の音を鳴らせるように、数々のダンブルアンプを模したエフェクターを生み出してきたのです。

Golden Acorn OverDrive Special

BJFが考えるダンブルサウンド

さて、そんな伝説サウンドをBJFなりの解釈を施して作られたのがこのGolden Acorn OverDrive Special(以下GAOS)。「acorn」とはどんぐりを意味し、ボディーカラーを指しているものだと思います。確かに、アルミ筐体と相まって、黄金に光るどんぐりっぽい色ですね。

公式サイトのGAOSの紹介ページでは、ダンブルサウンドについて

BJFは、ダンブルアンプを知り尽くした“親友”と共に、何台ものダンブルアンプを弾いたと語ります。ダンブルの真髄は“アーティストのためのカスタムメイド”であり、真の意味での“ダンブルサウンド”は存在しない。それがBJFの見解です。
一方、どのダンブルアンプにも共通する特徴、特性は確かにある、BJFは続けます。最大の特徴はダイナミックレンジであると。

と述べられています。つまり、「ダンブルサウンド」を一つの音に定義することはできないが、指標となる共通点はあるということ。ダイナミックレンジがダンブルの肝というのは、ダンブルアンプが主にブルースやフュージョンのようなピッキングニュアンスが重んじられるミュージックで使われてきたことを考えれば納得ですね。

そのダンブルアンプに共通する特徴を、BJFなりに解釈し、集約してGAOSという形になったのです。

「そう!これがダンブルの音!」と言いたくなるくらい忠実な音。

One Control | Golden Acorn OverDrive Special [Designed by BJF] demo by Jake Cloudchair

さて、肝心のサウンドですが、BJFは同ブランドから出ているSonic Blue Twanger(以下SBT)をベースにしたとのこと。SBTはブラックフェイス期のFenderアンプをモデルにしているプリアンプです。このペダルもとても忠実にFenderアンプの音が再現される優秀なペダルです。

[Short Demo] One Control | Sonic Blue Twanger [Designed by BJF]

しかし、GAOSのサウンドデモを聴いて感じたのは、SBTをベースにしながらも、良い意味でまったく性格の異なったサウンドだなということ。SBTは本当にFenderアンプそのままで、線のようなキラキラした感じが保たれるのですが、GAOSは歪ませるとかなり飽和したような音になります。ただ、心地よく感じるぎりぎりのところでその飽和具合が留まっていて、ピッキングニュアンスもはっきり残っています。変に音がぼやけるといったこともなくコードの分離感が保たれ、深く歪ませても音の輪郭が全く失われません。どこまでもクリアなこの音は、まさに、多くの人が夢見たあのダンブルサウンドでしょう。

つまみはVOLUME、TONE、RATIOの3つで、RATIOが普通のエフェクターでいうところのGAINやDRIVEにあたります。左に回せば歪みが増すとともに、音が伸びやかになります。この音の伸び方がまた大変素晴らしく、どこまでも自然に伸びてくれます。

プレイヤーの実力が問われるペダルかも。

いかがだったでしょうか。伝説と呼ばれ、ただ聴くしかなかったダンブルサウンドが、2万円弱の投資をするだけで誰でも演奏することができるようになる時代が来ることを、誰が想像したでしょうか。これまでダンブルサウンドをモデルにしたペダルは数多と製作されてきましたが、4,5万円ほどするペダルでも、Golden Acorn OverDrive Specialほど忠実にダンブルを再現したものはそう多くないはず。

ただ、レスポンスの早さまでよく再現されているので、ピッキングの良し悪しがかなりもろに音として表れそうだなとも思います。下手なプレイヤーが使ってもただの宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。ダンブルがプロプレイヤーにのみアンプを製造したように、このペダルも人を選ぶなのでしょう。そういうところも、BJFは意図して製作したのでしょうか?まあそんなことはないと思いますけど(笑)

 

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