ロックンロールサウンドを、小さな箱に詰めよう。
本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。
最近「アンプライク」と謳うエフェクターをよく見かけます。簡単に言えば、「アンプのサウンドを再現した音」で、特に歪みの音色をアピールするときに使われている気がします。
今日は、そんなアンプライクなエフェクターから、大御所Fender製アンプのサウンドを意識したプリアンプ/オーバードライブを8機種紹介したいと思います。
やっぱりFenderで弾きたい
いつも思うのですが、プロや大きなライブハウスならともかく、小規模なライブハウスなどで貸出機材を使ってライブするとき、ギターアンプは大体MarshallアンプやJC(Roland Jazz Chorus)だと思うんですが、Fenderのアンプが貸し出されることってあまりないと思うんですよね。練習スタジオなら尚更その傾向があると思うんですよ。
それでもロックを愛する者として(少なくとも僕にとって)、Fenderアンプって憧れなんです。
あのコードの分離感、ドライブさせたときの絶妙なコンプ感。
なのに弾ける機会がなくてとても残念な気持ちでいたのですが、Fenderアンプの音を簡単に作れてしまうペダルが世に多く出回っていることを最近知りました。
確かにFirehawkでもかなりFenderアンプの音に近い音を作れるのですが(こちらの記事からサンプルサウンドが聴けます。)、何より重い。
この前東京でライブしたのですが、背中にギター、両手にリュックとFirehawkを持っての移動は筋トレ以外の何物でもありませんでした。
Firehawkのサウンドクオリティは確かに高いのですが、コンパクトペダルでFenderサウンドが造れるならそっちのほうが手軽・身軽で良いじゃないですか。
ということで、今回はコンパクトペダルにしぼってFenderライクなプリアンプ/オーバードライブを動画と一緒にご紹介していきます。
プリアンプ系
flying teapot Deluxe Preamp
話題沸騰中のflying teapot。2018年11月にTweed期のFenderアンプをモデルにしたプリアンプを発売しました。
この機種の詳細は、こちらの記事でご覧ください。
Tech21 Blonde
アンプシミュレーターといえばまず浮かんでくるのメーカー、Tech21。ベース用ペダル、SANSAMPは一つのベースプリアンプの基準となっているほど、多くのプレイヤーに愛されています。
面白いのはCHARACTERというつまみで、この回し具合でさまざまなFenderアンプの音色を再現することができます。
逆にいえばはっきりしたモデルがないといえてしまいますが、「Fenderの音」を出したいのであればこれ1台で済んでしまうでしょう。
スピーカーシミュレート機能(ライン入力でもキャビネットから鳴らしたような音が再現できる機能)も搭載されているので、宅録などにも使えます。
AMT Electronics F1
Tech21と肩を並べるアンプシミュレーターの定番、AMT。
F1は世界的に有名なアンプをシミュレートしたレジェンドシリーズの一つで、Twin Reverbをモデルにしているそうです。
ゲインを上げても歪まないところなど、細かいところまで再現されているなと感じます。また、こんなに小さな筐体でありながらSEND/RETURN端子やスピーカーシミュレート機能などが搭載されていて、万能なお利口さんです。
前は日本でもよく見られたのですが、最近は流通しなくなったのか価格が高騰していますね…。
HAYASHI CRAFT STOMPBACK 57
埼玉県川口市に工房を構えるHAYASHI CRAFTによる、1957年Bassmanをモデルにしたペダル。デザインもTweedらしさ全開で、こだわりを感じます。
僕の中のBassmanって、ローエンドにかなり特徴があるイメージがあって、最初聴いたときはBassmanか?と疑問に思ったものの、途中途中で鳴る針のような音は確かにBassmanっぽいですね。あの細いけど絶対に折れることのない鉄心みたいな低音がよく再現されていると思います。
amazonではSTOMPBACKは販売されていないみたいなので、デジマートでどうぞ。
※デジマートでHAYASHI CRAFT STOMPBACK 57を検索
BOSS FDR-1
エフェクター界の大御所BOSSとエレキギター界の大御所Fenderの大御所コラボによるペダル。
65年製Deluxe Reverbがモデルになっているみたいで、それをBOSSのCOSM技術によって再現しています。
デモ動画は、JC-120につないでいるみたいですが、かなり生々しい音色をしているなーと感じました。ジャキジャキしているけれど、耳障りな高域は見事に抑えられている感じ。
オリジナルのデラリバにはないゲインつまみによってこれ1台で歪ませることも可能です。ただ、かなりつまみをMAXにしてもそこまで歪まないので、もっと必要な時は別の歪みを用意しましょう。そもそもそこまで歪ませるようなプリアンプではないと思いますが。
生産完了品なので新品を探すのは難しいと思いますが、中古ならちょこちょこ出回っているようです。
エフェクター系
One Control Sonic Blue Twanger
その超コンパクトサイズとクオリティの高さで、最近評判がうなぎ登りなOne Control。個人的には今一番欲しいエフェクターです。
つまみにVOLUMEとMASTERがあるのですが、どちらを上げても音量と共に歪みが増します。ただ、上げるつまみによってその歪みの音色が違うらしく、かなりオリジナルアンプの勝手を踏襲しているなと思います。
60年代前半の「ブラックフェイス」と呼ばれた時期のFenderアンプをモデルにしているようで、筐体横にあるスイッチでRhythmモードとLeadモードを切り替えることができます。Super Sonicのような2チャンネルアンプをイメージしますね。
Koch 63’OD
オランダのアンプメーカー、KOCH(コッホ)によるプリアンプ。
モデルアンプは明記されておらず、メーカーによれば「60年代を代表する伝説的ギタリストが奏でたチューブオーバードライブ」だそうです。誰を指しているのだろう。
リモート コントロール端子と2つのエフェクトループ、 エフェクターへの電源供給を行う9VDCアウトプットなどを搭載しておりとても多機能。さらに真空管も搭載しているので、とてもナチュラルな歪みが得られます。これ1台にFenderアンプとオーバードライブペダルが入っているような印象ですね。
ただ、映像を見てわかる通り、けっこうでかい。コンパクトなものを求めている方にはちょっと痛いですね。
JOYO American Sound
こんなアメリカンなデザインをしておきながら、実は中国のメーカーです。パ〇リコピー大国中国なだけあって、このJOYOも様々なエフェクターのコピーモデルを作っています。例えば…
これだけ似させられてしまうと、もはや拍手レベルですよね。ちなみにAmerican Soundは先に挙げたBlondeをコピーしていると噂されています。
まあ、コピーの是非は置いておいて、音自体はかなり良くありませんか?僕は初めて聴いたとき日本に流通していないUSA製の高級メーカーかと思ってしまいました(笑)
しかし、実際の価格は高級どころかまさかの4000円弱。コスパ良いという言葉では済まないくらいのすばらしさ!学生の皆さん、買いですよ!
Fulltone OCD
最後はみんな大好きOCD。
プリアンプではなくオーバードライブなのですが、歪みの質を変えるミニスイッチを「LP」にすると、Fenderアンプを歪ませた音に近くなります。
確かにそれらしい音はなりますが、歪ませすぎるとただのドライブサウンドになりますので注意が必要ですね。JCにつないでクランチくらいでつかうとよいかも。
オリジナルに肉薄するモデリング
これからの時代、もう使いたいアンプがなくて嘆くなんてことはほとんどなくなりそうですね。
どのライブハウス・スタジオにもJCくらいはありますから、足元のプリアンプで音を作ってJCにつないでしまえば、どこでもFenderサウンドで演奏ができるようになります。
ただ、どんなに技術が向上しても、所詮はモデリング。やっぱりたまには本物のアンプをかき鳴らしたい衝動に駆られるときもありますよね。そういう人がいる限り、やっぱりこれからもアンプは生き続けていくのでしょう。
コメント
[…] ただ、これだけ小さいエフェクターは、あまり良い音がしないものが多いです。しかし、以前の記事でBJFシリーズの「Sonic Blue Twanger」を挙げましたが、この小さい筐体のどこからこんな音が生まれるのかと思うほど、音質もかなり良いです。国内外の著名なアーティストも数多く使用しており、お墨付きです。 […]