ジャズマスター専門店がオリジナルジャズマスを作ってしまったらしい。

楽器

愛が溢れ出た結果。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。

さて、いきなりですが、僕はエレキギターの中でもジャズマスターの音が一番好きです。

ジャズマスターの音に惚れたきっかけはストレイテナー大山純。MATCHLESSに繋いで奏でられる金属的な音が、僕を虜にしました。

しかし、所有しているエレキはレスポールスペシャルとテレキャスタータイプで説得力が全くないのですが、ジャズマスターが愛おしすぎるあまり、いざ買おうとすると選択に困るのです。

王道のFenderを買うのもアリとは思いますが、他メーカーから出ているジャズマスタイプもとても個性あって魅力的で、「どれか1本!」って言われても1本に絞ることができないまま10年が経とうとしています(笑)

ジャズマスターって、エレキギターの中でもどこか「はぐれ者」感があって、楽器屋でもストラトやテレキャスと比べると、圧倒的に置いている本数が少ないです。

近年著名なアーティストが使用していることから人気が高まっているとはいえど、先に上げたタイプのギターと比べればまだまだ。

そのような中、東京は高円寺に構える、ジャズマスター専門店があることを、皆さんはご存知ですか?

その名も「UNTAKE GUITARS」。「専門店」という字が表す通り、ジャズマスターしか置いていない異色中の異色なこの店が、なんと自身でジャズマスタータイプのギターを作ったそうです。

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UNTAKE GUITARS

UNTAKE GUITARS(アンテイクギターズ)の「untake」とは、「取(捕)られていない」という意味。

直訳すると「(手に)取られていないギター」という意味になります。先に述べた「はぐれ」感に通ずることがありますね。

ジャズマスターのみしか置かない、しかも営業は基本土日休日のみときたもんだから、利益なんて全く考えちゃいない。

ただただ「ジャズマスターが好きだから」という気持ちだけで経営しているのがよく伝わってきます。この店主さん、かなりロックですね。惚れる。

Crews Maniac Sound “KTR K&T JM” 3TS

店頭で売られているものの中には、デモ動画が撮影されているものもあるので、事前にある程度の音のイメージをもつことができるのは、とても親切だと思います。

それにしても1つ1つよく聴くと、同じジャズマスタータイプでもけっこう音が違うもんですね。

揃えるだけでは留まらない、ジャズマス愛

人は、心から愛するものは所有するだけでなく「自ら生み出す」という行為へ行き着きます。

なぜなら、自分が生み出すものは、唯一自分の望み全てを叶えることができるから。

溢れるジャズマス愛は、CATMASTERという名の下に、具現化されたのです。

CATMASTER

UNTAKE GUITARSが作り出したジャズマスタータイプギター、CATMASTER

コンセプトは、いつまでも一緒にいたい「猫のような存在。」

ともすれば扱いにくいジャズマスターを、気まぐれな猫に例えています。それでも、一緒にいたいほど愛してやまないところが、ジャズマスターと猫が共通するところ。

猫のように奔放なジャズマスターを飼いならすべく、ジャズマスターを追究し続けるUNTAKE GUITARが独自のアレンジを施して生み出したCATMASTERは、3種類。

いずれも、アルダーボディメイプルネックローズウッド指板という、ベーシックなジャズマスター仕様となっており、マットな質感の極薄ラッカー仕上げとなっています。

さらに、ピックガードにはブラス製を採用することで、ボディの生鳴りを最大限生かす造りとなっています。

ブリッジにはムスタングタイプを使っているので、ジャズマスターの弱点である弦落ちのリスクを軽減してくれます。

これらのスペックは、他メーカーでもけっこう見かけることがあるのですが、UNTAKE GUITARSのジャズマスターに込める思いは、これだけでは終わりません。

プリセットスイッチの変更

通常のジャズマスターのプリセット部分は、フロントピックアップのボリュームとトーンを調節しますが、CATMASTERはこれをフロント・リア両ピックアップのボリューム調整にしています。

ジャズマスターは、メインのノブで調節できるボリュームノブがフロント・リア連動となっていましたが、これによってレスポールのように個々に調節することができるようになりました。

一体それの何が良いのかというと、センターポジションの音に細かな調整を効かせることが可能になったのです。

センターポジションは、フロントとリア両方のピックアップから拾う音をミックスさせているのですが、リアピックアップの金属的な高域がセンターポジションだとけっこう邪魔になることがしばしば。

そのようなとき、プリセットでリアの方のボリュームを小さくしていれば、不要な高域を抑えたマイルドなセンターサウンドが得られるというわけです。

ジャズマスター専門店だからできた、ジャズマスターの弱点を克服する斬新な発想です。

オリジナルピックアップ

溢れ出る愛は、どこにもないオリジナルのピックアップを創り出してしまいました。

しかもこのピックアップのすごいところは、機種ごとに別々の仕様となっているところ。

Hot Cat Pickup

Charcoal Frost Metallicカラーに搭載されているHot Cat Pickupは、3機種の中で最も出力が高いピックアップ。

激しめのロックにも十分対応できるポテンシャルを持ち、それでありながらトーンを絞れば芳醇なアコースティック・サウンドが生まれるとのこと。

単純に荒々しさのみを強調していないところが、さすがといったところでしょうか。

Slow Cat Pickup

Autumn Sky Blueカラーに搭載されているSlow Cat Pickupは、反対に3機種中最も出力の低いピックアップ。

ビンテージに近いサウンドで、ジャズマスターが生まれたばかりのオリジナルオブオリジナルな音を求める方におすすめ。

ちなみに、このカラーのみ、今回はボディにレリック加工が施されています。

Mellow Cat Pickup

最後のVermillion Burgandyに搭載されているMellow Cat Pickupは、先に上げた2機種の中間の出力。太く甘いサウンドが好きな方にオススメとのこと。

少し歪ませたオーバードライブとかを使えば、色気すら纏った甘々なサウンドになるのではないでしょうか。

このバーガンディーカラーも独特でおもしろいですね。どちらかというとメタリックな印象をもつカラーですが、あえてマットな仕上げにされていることによって個性が際立っています。

愛はギターに留まらない

CATMASTERだけでも、ジャズマスターに対するこだわりが十分伝わってきますが、なんとジャズマスター専用のエフェクターも作っていました!

RATをベースにしている、ディストーションペダルです。

普通、エフェクターはハムバッカータイプでもこもらないように、高音部が強調されるように配慮されているのですが、この配慮が、ジャズマスターの場合裏目に出てキンキンと耳障りになることがあります。

UNTAKE DISTORTIONはこの弱点に焦点を当て、余計な高音部を排除したジャズマスター専用エフェクター。あまりにもマニアックすぎるエフェクターですが、ジャズマスターにとってはこれ以上に最適なエフェクターはないと断言できるでしょう。

最有力候補の1本

今年の7月にオープンしたUNTAKE GUITARS。僕が関東にいた頃にあれば、絶対足を運んでいたほことでしょう。

もちろん、僕も本家Fenderのジャズマスターを基にしている部分があるでしょうが、パワー等、現代ミュージックが求めるサウンドに耐え得ることができない場合があるのも確か。

楽器は手にするだけでなく、奏でてこそその真価が発揮されるもの。モダンだろうがビンテージだろうが大事なのは「良い音が出るかどうか」だと思うのです。

そういう意味では、これまでジャズマスターが抱えていた問題を払拭したこのCATMASTERは「ジャズマスターの完成形」を具現化した1つの形といえるでしょう。

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〜ジャズマスター専門店〜
UNTAKE GUITARS アンテイクギターズ
住所:〒166-0002 東京都杉並区高円寺北3-10-3
営業時間:土日祝 13:00-19:00

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