「標準」から「プロ」へ。FenderからAmerican Standardの後継機、American Proffesionalシリーズが登場!

楽器

世界の標準が求めるのは、「プロ」のクォリティー。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。

FenderがAmerican Eliteシリーズを発表して1年も経たないうちに、新シリーズを発表しました。
その名はAmerican Proffesionalシリーズ。American Standardシリーズの後継にあたります。

Kenny Wayne Shepherd Introduces the Fender American Professional Stratocaster | Fender

 

ジャズマスター、ジャガーが仲間入り

今回のモデルチェンジで、従来のギター・ベースに加え、新たにジャズマスターとジャガーが加わりました。さらに、2機種ともメイプル指板が選べるようになりました。サードモデルのブランドからはちょくちょく出ていたメイプルですが、本家フェンダーから出るのはとても珍しいです。

選ぶ指板によってカラーリングは異なるそうです。個人的にはミスティック・シーフォームにローズウッド指板だったら最高でした。

どちらも、旧来のモデルとは異なり、プリセットコントロールが廃止されています。ジャズマスターは廉価版モデルですでに取り払われていましたが、スタンダードモデルでも廃するとは、なかなか思い切った変更点ですね。配線がシンプルになるので、よりストレートな音が出る仕様となっています。

ジャガーはピックアップセレクターも生まれ変わり、「フロント」「フロント+リア(シリーズ)」、「フロント+リア(パラレル)」、「リア」の4way仕様。上部にあるのはフェイズスイッチと呼ばれるもの。今までのローカットにあたるスイッチでしょうか。

巨匠Tim Shawによる新ピックアップ「V-Mod」

今までのスタンダードシリーズでは、カスタムショップ製のシングルコイルピックアップが主に使われていましたが、プロシリーズは、一部のモデルを除き、ピックアップ界の巨匠、Tim Shaw氏設計のV-Modピックアップを搭載。

Tim Shaw氏は以前にFenderで「Shawbucker」と呼ばれるハムバッカーを設計しています。今回のプロシリーズでも、ハムバッカーを搭載しているモデルはこのShawbackerになります。Tim Shaw氏は、Gibson社においても新しいハムバッカーピックアップのサウンド設計を担当していて、彼が制作したピックアップは「Tim Shaw PAF」と呼ばれています。エレキギター界の2大巨頭を跨る、ビッグパーソンです。

そんなTim Shaw氏によって生まれたV-Mod。公式によれば、

各ポジションに合わせて最適なヴォイシングがされており、フェンダーならではのヴィンテージな温かみと歯切れの良いクリアな高出力サウンドを提供します。

との事。つまり、ポジションによる音のばらつきがなくなるということでしょうか。確かに、ローポジションだと中低域が膨らみすぎたり、逆にハイポジションだとか細くなるといったことってよくありますね。だからこそスイートスポットが生まれるという良さもありますが、どの音も「使える」音なのは頼もしいことです。また、「高出力」ということなので、歪みのノリの良さも期待できるでしょう。

このV-Modは、今まで搭載されていたカスタム製を上回るピックアップなのか。プロシリーズ最大の注目ポイントはそこにあると思います。

各種ハードウェアの変更

各モデルに限った微細な変更点もありますが、共通する変更点を挙げると、

  • ネックシェイプがスリムCからディープCに
  • フレットがミディアムジャンボからナロートールに
  • ナットが人工骨から牛骨に
  • ボリュームを絞ったときの高域の減衰を防ぐ、「Treble-Breedサーキット」を新しく搭載

以上4つの変更点が挙げられます。Treble-Breedは、V-Modがホットなピックアップなので、クリーンを鳴らすためにボリュームを絞るときなどに活躍しそうですね。歪んだときのジャキジャキな音も良いですが、シングル特有のあの透き通るようなクリーンが欲しいときも多々あるので、欠かせない機能となるでしょう。

各機種の細かい変更点で印象的だったのが、テレキャスターのブリッジサドルが6wayから3wayに変更されたこと。3wayはヴィンテージ仕様のものに多いのですが、オクターブチューニングが狂いやすいという欠点を持っています。果たして、この変更は吉と出るのでしょうか。

なお、石橋楽器のウェブサイトにスタンダードシリーズとプロシリーズの比較をまとめたページがあるので、興味がある方はそちらもご参照ください。

現代に求められる音を集約した形

Marlon Williams Discusses the Fender American Professional Telecaster | Fender

今のミュージックシーンで求められる音には、「クリア」がキーワードになっていると思います。つまり、音がどれだけ我々の耳に「自然に」入ってくるか。高出力でバランスの良いピックアップ、音痩せを防ぐTreble-Breedサーキット。Fender Professionalシリーズは、そのニーズに対して的確に答えたモデルだといえるでしょう。

実際に動画の音を聴いてみてください。ヴィンテージ・フェンダーの音を、今の技術で蘇らせたらこんな音だといえるような、フェンダーらしさは決して失われず、かつ耳にすんなり馴染む音。Eliteシリーズのような、一聴して「これはすげえ!」というインパクトはないかもしれませんが、クォリティーの高さは否めません。

スタンダードからプロ。より上の基準を目指すFenderに、これからも目が離せません。

※Fender公式サイトはこちらをクリック

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