まさにダークホースなペダルでした。
本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。
BOSSと同じくらい音がファンでありながら、未だ金欠で買えていないOne Controlから、気がつかないうちに新ドライブペダルが出ていました。
それもそのはず、今回紹介するのは大手楽器販売店、島村楽器でのみの取り扱いとなっているからです。
その名もStone Bramble OD。名機Strawberry Red Over Driveの系譜を引くドライブペダルです。
万能ドライブ、Strawberry Red Over Drive
One Controlのこのサイズの歪みペダルは、モデルアンプの歪みを再現する「Amp In A Box」シリーズが主流なのですが、Strawberry Red Over Drive(SROD)はどのアンプもモデルとしない、完全オリジナルオーバードライブです。
このペダルの最たる特徴は、歪みの幅がとにかく広いこと。ローゲインからハイゲイン、そしてディストーションまでをも網羅する、とても優秀な1台なのです。
SRODの開発コンセプトの1つに、
どんなギター、アンプにつないでも、常にギタリストが欲しい音を出力すること
がありました。これ、どんなギタリストもエフェクターに対して望むことだと思いますが、簡単にいうけど、これを満たすペダルって、本当に限られていると思います。
実際、何百、いや何千と生まれている歪みエフェクターの中で、プロアマ問わず愛されているドライブペダルなんて、百もないのではないでしょうか。
しかし、SRODは、そんな夢物語のような我々の願いをいとも簡単に叶えてしまいました。
どの歪み具合でも、まとまった感がしっかりあります。歪みを強くしてもコード感があり、ペシャンコではないコシのあるサウンドを維持し続け、ローゲインでもペラペラにならず、芯をきちんと保っています。
さらに、ローカット・トリムポットを搭載しているので、細かなサウンドメイキングが可能。
これによって、メーカーや機種、そしてチューブ・トランジスタ問わずベストなドライブサウンドを奏でることができる、まさに文字通り「万能」なオーバードライブとしてその名を馳せました。
Stone Bramble OD
そのような神ペダルSRODの系譜を引くペダルは以前も2機種出ていましたが、今回のStone Bramble OD(SBOD)も、SRODの血を引く純血種。
名前の「Stone Bramble」は、スウェーデン北部を中心としたヨーロッパに群生する山葡萄の一種でです。SRODになぞらえて、このペダルもベリー系の果実の名前を冠しているのですね。
この実は、昔は毒があると信じられ、誰も口にすることはなかったのですが、近年の研究で毒どころか健康食品としてすばらしい価値があることがわかっています。
迷信によってその真価が隠され、長いこと顧みられなかった果実。そして、島村楽器限定という、かなり限られた販路。
これらのことから、SBODは「知る人ぞ知るペダル」というコンセプトを持っているのではないかと、僕は思います。
SRODとの比較
ブーストをローからミッドへ
従来のSRODは、トリムポット型のローカット・ブーストノブがついていましたが、SBODはスイッチ型のミッド(ミドル)ブーストへ変更されました。
ギターサウンドの骨組みを作る帯域がローとハイならば、血肉を作るのがミッドの役目。
ミドルは音抜けやサウンドキャラクターに大きな影響を与えるので、音作り、そしてエフェクターの質を決める非常に重要な要素です。
トリムポットは、動かすのには基本的にマイナスドライバーが必要になりますが、スイッチ型になったことにより、余計な工具が必要ないので、ライブ中の変更も容易になりました。
そのミッドブーストをした音色も、不自然にミドルを押し出したぼやけた音にはならず、音の中核に芯を入れるようなヌケの良さが感じられます。さすが、SRODの血を引くだけのことはある。
ちなみに、ローの細かなカット・ブーストができなくなったことで、SBODはSRODよりも多少ローが強く出る設計になっています。
表情の幅はSROD以上
さて、オーバードライブの肝、歪みの質。
SBODは、DRIVEのノブで歪み具合を変えていくのですが、SRODと比べて歪み始めるポイントが遅いです。それは、ローゲインでの歪みを細かく設定することが可能になったことを意味します。
しかし、SBODは、単に「歪みを弱くしただけのSROD」という位置付けではありません。ゲインをフルテンまで回し切ったときは、逆にSBODの方が歪みが強くなります。
もともと歪みの幅が広かったSRODですが、SBODはその幅を超える、より広範囲で細やかなドライブサウンドメイキングができるのです。
優秀なTREBLEイコライザーとの組み合わせで、温かくふくよかなオーバードライブサウンドはもちろん、ディストーションを軽く歪ませたときのような、切れ味鋭いサウンドにも対応。
万能だったSRODと比べると、ちょっとじゃじゃ馬っぽさが滲み出ていますが、これ1台で幅広いドライブサウンドを作り上げることが可能なので、飼いならすことができれば、相当心強いペダルになるでしょう。
初心者にこそおすすめ
このペダルは、どこかBOSSのBD-2(Blues Driver)と似たところがあるように思えました。それは、作ることのできる歪みの範囲が非常に広いこと。
BD-2も、ブルージーなクランチサウンドからブースター、そしてハードロックなドライブサウンドまでと、ジャンルを超えて様々な用途で使える万能エフェクター。
僕も、初めて購入したギターエフェクターははこのBD-2で、イシバシ楽器の中古コーナーに置いてあったものでした。これを長い間使い続け、歪みについていろいろと学んできましたし、微妙な音色の差も聴き分けられるようになりました。
SBODも変化の幅が広く、かつどの音も使える音色ですので、いろいろ弄り倒しながら歪みサウンドの基本を勉強するにはうってつけだと思います。
もちろんプロユースにも十分対応できるペダルです。それは元祖SRODが証明済み。
特に、基本的にチューブアンプを思わせる、温かなサウンドを得意とするSRODと比べて、SBODは煌びやかなドライブの仕方をするので、ブライトなオーバードライブサウンドを求める方には、SBODの方が合っているでしょう。
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