NICO Touches the Wallsの新ミニアルバム「TWISTER-EP-」が荒ぶりすぎてヤバい。

MUSIC

控えめに言って狂ってる。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。

今まで1度もレビューしたことがないんですが、NICO Touches the Wallsが好きで、つい先月、仙台へライブを観に行ったこともありました。

そのときのライブでも披露されました、新アルバム「TWISTER-EP-」がついに7月25日に発売されましたので早速感想を書きたいと思います。

「ひねくれ者」を全面に押し出した

ライブで、「僕らのもともとの『ひねくれ者』を押し出した」と言っていました。確かに、収録されている5曲どれも一筋縄ではいかない、ロックやポップ、R&Bなどの、様々な要素を取り入れたひねりが随所に含まれた曲だなと思いました。それが故に「TWISTER-EP-」は前作「OYSTER-EP-」と比べてけっこう「聴き疲れ」します。その分、充実感にあふれてるともいえます。

早速、各曲の感想をば。

1.VIBRIO VULNIFICUS

曲名のビブリオ・バルフィニカスは、細菌の名前です。この細菌をタイトルに持ってきた理由はわかりませんが、脈絡のない歌詞から狂気が蔓延する感じがして、細菌感染になぞらえたのかなと思ったり。

スタートに相応しい荒々しいバッキング、そして甲高く響くボーカルのシャウト。始めはパンクなロックチューンをイメージする曲調ですが、突如ビートが変わり、浮遊感溢れるダンスリズムになって、その急激な高低差にトランス状態に陥ったような感覚を覚えました。ボーカルのファルセットがその雰囲気を作るのにいい役割を担っています。

ライブではボーカルのシャウトに合わせてスモークが勢いよく噴出してきて、観客も曲に匹敵する狂気に包まれていました。

2.SHOW

サーフロックのような、リバーブが心地よい鳴るリフが印象的なナンバー。4/4拍子と6/8拍子が交互に現れて、けっこう振り回されます。典型的なロックビートではあるんですが、サウンドが分厚くないのと、ボーカルがけっこう(良い意味で)ふざけた歌い方をしているので結構軽快なサウンドのように思えます。

そのボーカルのアハアハな歌い方と対照的に、ギターの荒々しさがとても際立って聴こえました。なんといってもファズの音色が絶妙。6/8拍子の鬱屈としたメロディに非常にマッチした、怒りや苛立ちさえ感じさせるとがった音色がすばらしかったです。

3.FRITTER

超ポップなダンスチューン。歌詞もひたすら「いいんじゃなーい?」と、非常に中身のなさそうな言葉のオンパレード。何も考えずひたすら楽しんでしまえ!と思えるようなサウンド。

「SHOW」以上にふざけた曲だなと思いますが、ライブでは大盛り上がりになること間違いなし。もちろん仙台でも大盛り上がりでした。

4.来世で逢いましょう

軽やかなビートに反して、実は失恋ソング。どこか90年代の雰囲気を匂わせると、個人的には思います。シングルコイルのチャキチャキな音が心地いい。

これ、2ndフルアルバム「オーロラ」に収録されてる「N極とN極」の続編で、ところどころでN極とN極のフレーズがそのまま使われているんですよ。「いたちごっこ」とか。そういうことを踏まえながら聴くと、よりこの曲を楽しめると思います。

5.Kareki is burning!

ボーカル以外の3人による「カレキーズ」の曲。音程補正などほとんどされておらず、ボーナストラックのような扱いなのかな?でも、ハモリのところだけ、なぜかとてもきれいという不思議(笑)

狂気すら感じるが、どこか懐かしい

すべての曲が振り切れすぎて、「どうしたNICO!?」「方向性が…」とかいう声もありますが、実は昔から結構ぶっ飛んだ曲を結構NICOは作っていたので(「アボガド」とか、「泥んこドビー」とかね)、その頃の曲を知っている自分からすれば、むしろ懐かしさすら覚えました。昔のNICOが帰ってきた!という喜びがありました。メジャーデビュー以前の彼らを知っている古参の方こそ、ぜひ聴いてほしい1枚です。

生き残っていくためには、大衆向けの曲も生み出さなければいけないのでしょうが、たまには今作のようなNICOらしい狂った曲を、これからも作っていってほしいですね。

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