ニューシングル「ミレニアム」はACIDMANサウンドの集大成。

MUSIC

今までも良かった。そして、これからももっとすばらしい世界を見せてくれるに違いない。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。

異動後の新しい環境にやっと一つの節目がつきました。
それと同時に、ACIDMANからも、20年という節目を飾るニューシングル「ミレニアム」が発売されました。
タイミング的にこれ、新生活を耐え抜いた僕へのご褒美以外の何物でもない(笑)

今までの曲のピースが散りばめられたパズル

ACIDMAN – ミレニアム MV

今作「ミレニアム」は、20周年企画後に発表されたシングルとしては3作目。

今回のアー写は、本人たちがそんなに遠くにはいないですね(笑)
背景が赤橙のPVのような温かみのある色となっています。

歌詞は相変わらず「宇宙」と「生命」がテーマ

ACIDMANのすごいところの一つに、歌っているテーマが20年ずっとブレないことが挙げられます。

曲調や言葉が変われど、歌詞を見るとずーーーーーーっと「宇宙」と「生命」に関わることしか歌っていません。
フルアルバム10枚も出しているのにですよ⁉よく他のテーマに手を出さないなと思います。

公式HPによれば、今作は以下のようなことを歌っているとのこと。

千年の時を超えて繋がる壮大なストーリー
繰り返される輪廻の果て、再び君と巡り会うその時にこそ伝えたい言葉がここにある

つまり今回も巡り廻る「生命」を歌っているということですね。ナタリーのインタビューでは、
「千」という言葉に神聖さを感じるとVo.の大木が話しています。

姿や形は変われど、時を超えて僕らは遥か昔から命を受け繋いで今日まで生きている。
ACIDMANの曲では本当によくあるテーマなのですが、不思議なのが「どうせまた同じようなやつでしょ」という諦めではなく、「今回はどんな言葉や音で命を、宇宙を語るのだろう!」と期待してしまうのですよ。

あれです。この感じ、ゲームの三国無双シリーズに似ています。ストーリーはいつも変わらない三国志なのに、今作はどのような演出で見せてくれるのだろうとわくわくする感じ(笑)

すみません、話が逸れました。

「ミレニアム」の歌詞で印象的だったことが一つ。今までと変わらず「太陽」とか「光」といった自然を表す言葉が用いられているのに加えて「金色の子供達」といった表現があるのです。
どこかで聞いたなと思ったら、「アルケミスト」の歌詞でも使われていました。20周年の節目ということで今までの作品もどこか意識しているのかなと思いました。そして、それはサウンドを聴いてあながち間違っているとは言えなさそうです。

随所に今までの歩みを思わせるメロディ

「ミレニアム」第1作「最後の星」、第2作「愛を両手に」がバラード調だったのに対して、今回はノリの良いロックチューンになっています。久々のロック調だったものですから、「待っていたよ!」と歓喜したのは言うまでもありません。

ですが、初めて聴いて感じたのは、「あれ、これ前に聴いたことがある」といった、既視感ならぬ既聴感。

始めのストリングのようなサウンドは「世界が終わる夜」、歌と共に入るギターの空気感は「銀河の街」に通ずるところがあります。「さあ」と高らかに叫ぶのは「最後の星」、Aメロのバッキングや歌の繰り返すメロディは「カタストロフ」。サビのダンスビートや愉快に動き回るベースラインは「FREE STAR」。至る所に彼らが築いてきたものが散りばめらているインプレッションを受けます。

そして、個人的に感じるのは1曲全体の雰囲気があの名曲「ある証明」にかなり近い。

ACIDMAN – ある証明(LIVE TOUR"ALMA" in 日本武道館)

イントロ直後のギターのディレイ。サビ前のスネアによる16分打ち。2番Aメロ後のゆったりとした間奏。多くのところで「ある証明」を匂わせるフレーズがあるのですよ。ですから、この「ミレニアム」は、20年を経て生まれ変わった「ある証明・改」だなと。「ある証明」はすでにライブでも確固たる地位を築いているビッグタイトルとなっていますからすぐに立ち代わることはないでしょうが、「ミレニアム」もライブで定番となるような可能性は十分秘めていると思います。

新しくないのに、新しい

ミレニアムを一言で言うと、「新しくないのに、新しい」。過去の曲の面影がいくつもあるのに、そのピースをはめていくと、そこに見えたのはまったく違う世界。変わらないのに変わっていく。相反するものを共存させるACIDMANのセンスには、ただただ脱帽するしかありません。故郷の誇りです、ほんと。

11月23日には彼らが主催するロックフェス、「SAI」がさいたまスーパーアリーナであります。盟友ストレイテナーを始めとして、多くのアーティストが参加する予定です。僕は東北に住んでいるので翌日の仕事を考えて血の涙を流しながら行くのを断念せざるを得ないのですが、もし興味をもたれたなら、絶対おすすめします。たくさんのアーティストのサウンドに加えて、この「ミレニアム」を携えたACIDMANの20年来変わらない世界観も直に観れるのですから。

 

コメント

  1. […] ミレニアム […]