THE PINBALLSによる新劇場!2016年11月16日に新ミニアルバム「PLANET GO ROUND」をリリース

MUSIC

荒ぶる気持ちが抑えられないぜ。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Sukeです。

11月3日に、THE PINBALLS(通称ピンズ)から新ミニアルバム「PLANET GO ROUND」に収録されている「毒蛇のロックンロール」のMVが公開されたのを機に、ピンズの魅力をお伝えしたいと思います。

THE PINBALLS / 毒蛇のロックンロール

単なる「追っかけ」ではない

2006年結成の4人バンド、THE PINBALLS。「アンテナ」でタワレコから初CDデビュー。僕と同じ埼玉県出身だそうでちょっと親近感。

いや、そんな話は置いといて。

メンバー自身がTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTやBLANKEY JET CITYを好きだと話していて、彼らの音楽からもかなりの影響を受けていることがわかります。

THE PINBALLS / アンテナ

テンポといい性質といい、ボーカルの裏でジャキジャキ遊ぶギターといい、ああもうかぶってるかぶってる。初めて聞いたときはそんな印象を抱くでしょう。a flood of circleを聴いたときにように。でも、その中にも軽やかさが隠れているような感じでしょうか。

THE PINBALLS「tenbear」music video

初の全国流通盤より「tenbear(s)」。あら、なんかおしゃれになってません?路線を変えたのかな?それでもVo.古川の声とうまくマッチングしていますね。ギターも変わらず遊んでおります。近年の音楽としてはめずらしく、リズム隊は結構ベーシックなリズムを刻んでいます。逆に新鮮に感じる。

結構ミッシェルやブランキーと同一視されてしまいがちですが、共通する部分の中に、ピンズならではの個性が光っていますね。

留まることのない「荒れ」と「美しさ」

どんどん荒ぶる

THE PINBALLS / 片目のウィリー

お、いきなり王道っぽくなりました。メジャーデビューミニアルバム「ONE EYED WILLY」より「片目のウィリー」。この曲を聴いたとき、電流が走ったんですよ。

幽霊船のウィリーが
片目を閉じている間に
二人は笑いながら
涙を流しながら
言葉を探していた

baby,baby,
全てが 終わってもよかった

ここのメロディの最初、Aメロと全く同じなんですが、いきなりサビに入るんですよ。ああAメロ繰り返してBメロでサビなのかなという僕の安易な発想を見事にぶち壊してくれて。そこまではそれはもうメジャーコードばかりでバリバリ明るいのに、いきなりマイナーに変わるんですもん。電気のON/OFF並みの切り替えですよ。こちらがついて行けない(笑)。この予想外な展開に驚きと喜びでいっぱいで、一人飛び跳ねていました。

余談ですが、この時期THE PINBALLSはまさに苦境の真っ只中で、メンバーの仲も険悪になりかけていたみたいですが、シンプルに

自分たちが聴いてかっこいいものをつくる

という考えでこのアルバムが造られ、バンドの結束も固まったようです。多くのバンドがそうであるように、やはり化けるためには苦しい時期が必要なのですね。

参考:skream! THE PINBALLSインタビュー

THE PINBALLS『真夏のシューメイカー』

アンテナやtenbear(s)を聴いてからこれを聴いてみてください。何があったのと聞きたいくらい荒ぶっていますね。Vo.もパツキンになってしまいました。でもなんていうのでしょう。ただただ荒ぶってるだけではなくて、年代物のウィスキーのような渋さが同時に醸成されている気がするのは僕の気のせいではないはず。酒瓶片手に煙草を加えた、酸いも甘いも知っている大人の貫録すら感じます。

Ninja Slayer [ED 3] – The Pinballs – Gekijou Shihainin no Theme

ニンジャスレイヤーというアニメのエンディングに採用された曲です。どうしたの?何かあったの?まず落ち着きなよ、話聞くから。荒ぶり具合が留まることを知らないので、心配のあまり思わずそんな声をかけたくなるくらいですね。大サビの裏でギターもやりたい放題。

アアアアアイエエエエエ!

ちなみにここまで紹介してきて今更ですが、ギターの中屋は基本的にギターソロをすべてアドリブで弾いているそうです。
アドリブでこれだけ弾けるって何、才能?神様マジでアンフェアwこれだけアドリブで弾けたらめちゃくちゃ楽しいだろうなあ。

荒れの中にある詞の美しさ

先に挙げた「片目のウィリー」の歌詞からも感じられますが、どこか叙情的ではありませんか?実は、片目のウィリーの歌詞は映画「グーニーズ」をモチーフにして書かれたものだそうです。

このように作詞を担当するVo.古川は、映画や小説にインスパイアされることが多いらしく、それが詞の独特な世界観を創り出していることは間違いないでしょう。楽曲の荒々しさと詞の美しさの対比がなんともいえぬ良い味を出していると思います。

閉塞的な今だからこそ、このバンドが必要

言いたい事も言えないこんな世の中じゃないですか。POISONじゃないけど。そんな世の中で、ピンズのように自分の思いを叫べたら、どんなに楽だろうと僕はいつも思うのですよ。

今流行っているような、さわやか系ポップロックを聴いても楽しくなれるでしょう。でも、それを聴いても刹那的な、虚空の楽しさしかなく、聴き終わった後は何も残らない虚しさを切に感じるんです。でも、ピンズはなんていうのかな、もっと生々しい「生」に根付いたような熱さが気持ちを高ぶらせてくれるんですよね。人間が持つ野性的本能を開放して得られる楽しさが、ピンズの音楽にはあると思うのですよ。

せめてピンズを聴いている間だけは、思ったことを、感じたことを素直に吐き出すことを許してもらいたい。そして、こんなくすんだ世の中のうっぷんを吹き飛ばすためにもっと売れてもらいたい。今すぐに。

 

 

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