BOSSの新アンプシリーズ”Nextone”。歴史的なあの真空管サウンドをそのままに。

楽器

これ本当にNo tubeなの?

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On-Suke(0n_Suke)です。

我らが日本を代表する大御所エフェクターブランド、BOSS

ギターの初心者教本で描かれるエフェクターのイラストはだいたいBOSSの形をしています。それほどギタリストにとってBOSSのエフェクターというのは馴染み深い存在です。

そんなBOSSを擁するRolandは、近年BOSSブランドとしてのアンプ製作にも能力を入れています。

ブラウンサウンドを徹底的に追求したソリッドステートアンプ、WAZA AMPシリーズ。

キレのある鮮烈な歪みと多彩なエフェクトを有した「KATANA AMP」シリーズ。

これらに加えて新たに登場したのが、往年の真空管テイストを見事に再現したパワー・アンプセクションを搭載する、”Nextone“シリーズです。

Tube Logic

Nextoneを説明するにあたって外せないのが、BOSSのアンプシリーズに共通するテクノロジー、Tube Logic

端的にいえば、「フィーリングも含めた、真空管アンプでしか出せないサウンドを真空管なしで再現する」という、矛盾しているともとれる無茶苦茶なテクノロジーです。

Roland名義で発売されているBlues Cubeというアンプで初めて採用されたもので、真空管はもちろん、電源周りや回路、キャビネットやボディの振動等の相関も含めて真空管アンプの音の特性を研究し尽くした結果、Blues Cubeは驚異の再現性をもったソリッドステートアンプに仕上がりました。

モデリングでは決して表現することのできない、チューブアンプならではのあのピッキングした時のバイト感やコンプ感、そして真空管を通すことで余計な周波数が削ぎ落とされた温かみのある音が、真空管なしで表現できるという、魔法のようなテクノロジー。

真空管アンプは非常に繊細であり、消耗もするので細かなメンテナンスが必要となりますが、Tube Logicによってそのような面倒からプレイヤーは解放されたのです。

Nextone

そんなTube Logicを搭載したNextone。BOSS名義で出ているアンプの中では、最もクラシカルで大人しいといえるアンプといえるでしょう。

しかし、歪みの激しさとはまた違う、大きな魅力を秘めたアンプでもあるのです。

4つのパワー・アンプ回路

特筆すべきはこの1台のアンプで、4種類のパワー・アンプ回路を通したサウンドが出せること。

6V66L6EL84EL34の4種類のチューブアンプが、Tube Logicのテクノロジーによって忠実に再現されています。

「AMERICAN」と括られたうち、6V6はデラリバプリンストンといったブラックフェイス期の煌びやかなサウンド、6L6はツイード期のホットゲインなサウンドが特徴。

一方、「BRITISH」のEL84はVOXのAC30、EL34はMashallの1959あたりのクラシックなブリティッシュサウンドを奏でます。

ロック界で代表的な4台のアンプがこの1台に収まっているといえるでしょう。

モデリングアンプだと、デジタル臭さがつきものですが、Tube Logicによってそんな心配はご無用。

BOSS Nextone Guitar Amplifier Introduction by Peter Honoré and Chris Buck

目をつぶって聴いて「本物のFenderです」なんて言われたものなら、うっかり信じてしまいそうなくらいリアルですよね!

指でばちんと弾いたときのニュアンスとかもばっちり再現されていて、歪ませても温かさが決して失われていないのはさすがと言わざるを得ません。

パワー・アンプ回路を変えると、本当にアンプを取り替えたようにキャラクターがはっきりと変わるのもGOOD。

改めて確認しますが、これだけリアルなサウンドを出しながらNextoneはソリッドステート型。4台分の真空管の手入れも無用。運搬も神経をすり減らすことなく気軽に行えます。

様々なサウンドメイキングか可能

Nextoneは2チャンネル構成のアンプで、チャンネル共通の3バンドイコライザーの他にTONEスイッチとBOOSTスイッチがあります。このボタンを組み合わせるだけで8通りのサウンドが作れます。

TONEは高音を上げたり、芯を加えたりするなど、選択したチャンネルで効果が異なるようです。BOOSTはその名の通り音量とゲインを稼ぐスイッチ。

加えてディレイ・リバーブ・トレモロ3種類のエフェクトを内臓。

別売りのGA-FCフット・コントローラーを使えば、チャンネル選択やエフェクトの設定等を足元で行うことができるので、Nextone1台のみでシステムを完結させてしまうのも夢ではありません。

もちろん、定番のFSシリーズを繋いでコントロールすることも可能です。

これだけでも十分充実していますが、パソコン用ソフト「Nextone Editor」を使えば、アンプのバイアスやサグ、エフェクトのパラメーター等の細かな調整が可能。プリセットは最大99個まで保存することができるので、曲やステージごとに設定を変更し、常に最適なセッティングで演奏するなんてこともできます。

FXセンド・リターン端子も備えているので、自分のお気に入りのコンパクトペダルを組み合わせれば、音のバリエーションはより多彩になることでしょう。

現代のあらゆる音楽ニーズにもバッチリ対応

Nextoneはライブのみを想定したアンプではありません。レコーディングや自宅練習にも適応できるように設計されています。

背面にはレコーディング兼用のヘッドホンアウトやPAにダイレクト信号を送るラインアウト、さらには宅録に役立つUSB端子まで備えています。

USBを介してNextone Editorを使えば、マイキングしたキャビネットのサウンドを3種類から選べ、実際にアンプを鳴らしたようなリアルサウンドを出力することができます。

さらには、パワー・コントロール機能で、チューブアンプをクランク・アップしたときのような独特の鳴りが小音量でも得られます。

その構造上避けては通れない、チューブアンプの長年の悩みでもあった「家で爆音を鳴らせないけど音量を絞ると音がクソしょぼくなる問題」が、たった1つのノブで解決するのです。

出力はMAX/HALF/0.5Wから選択可能なので、昼間であればあの飽和した小気味良い音をあなたの部屋でかき鳴らすことができるでしょう。日本の住宅事情にしっかり配慮されたうれしい機能です。

チューブアンプの良さだけを抜き出した、ソリッドステートアンプ

もうお金のないアマチュアさんは、まずはこれ1台買っておけば良いのではないでしょうか。

4 in 1アンプで真空管不要。持ち運びも楽でレコーディングや自宅練習にも使える。

自宅で作った曲の音そのままにライブでも鳴らすことができるのも、オーディエンスからしたら実は嬉しいことだったりします。どうしよう、良さしか思い浮かびません。

そんな僕もお金のないアマチュアさんなので、次買うアンプはこれにするかもしれません。今のところの最有力候補。

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