ハイレゾ音源7曲をNW-A30シリーズで聴いてきた。

家電

僕らの知らない音が、そこにある。

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On-Suke(0n_Suke)です。

前に「SONYの新製品、ハイレゾ音源対応A-30シリーズは音質とコスパの両立を成功させている。」という記事を書いたのですが、肝心の音についてのレビューはまだだったので、家電量販店で試してきました。

先に言ってしまいますが、ハイレゾは我々の「もっといい音」というイメージを簡単に裏切るくらいの良音でした。

そもそもハイレゾとは

hi-res

前記事はAC-30シリーズ本体の特徴を書いていたので、ハイレゾそのものについては触れていませんでした。まず、最近巷に聴くこの「ハイレゾ」とはなんぞやという疑問を解決しておきましょう。

ハイレゾ(High-Resolution Audio)っていうのは、簡単に言うと「CDの音質を超えた音源」のことで、今まで表現できなかった繊細さや音が本来持つ太さなどを再現し、より臨場感のある音が愉しめます。CD以上の情報量を持つので、登場した当時は配信音源という形が多く、PCにハイレゾ対応のアンプをつなぐという形が主でしたが、各社からポータブルアンプやハイレゾ対応DAPが登場するにつれて徐々に普及してきました。

ハイレゾを再生するのにやっかいなのは、音源がハイレゾであるだけでなく、再生機器もハイレゾ対応であること。たとえば、iPhoneにハイレゾ音源を入れただけでは完全に再生することはできず、ハイレゾ音源の音を発揮するためには、iPhoneにハイレゾ対応のプレーヤーアプリを導入し、さらにハイレゾ対応のアンプをつなぎ、ヘッドホンで聴くならそのヘッドホンもハイレゾ対応であることが条件となります。再生に関わる機器全てがハイレゾに対応していなくてはならないのです。そしてアンプというのはだいたい大きいサイズのものがほとんどで、ポータブルアンプでもiPhoneと同じくらいのサイズのものが多く、外出するときは少々邪魔になるかもしれません。ただ、LogitecLHP-CHR192はリモコンサイズでかなりコンパクトで、イヤホンも同梱しているので、iPhoneでハイレゾ音源を聴きたい方は入門機としておすすめです。

logitec

実際リモコンとして使えるらしいですよ。

実機を体験してきました。

百聞は一聴に如かず。いざ実「聴」!

さて、そんなちょっと複雑なハイレゾも、AC-30シリーズさえあれば万事解決。ノイズキャンセリングイヤホン同梱版を買ってしまえば、イヤホンで迷う心配もなく手軽にハイレゾ音源を楽しむことができます。ということで、ある家電量販店の展示機と付属イヤホンで何曲か聞いてみました。ジャンルはジャズ、クラシック、ポップス、ロックの4種類。

ジャズ

milesdavis

聴いたのは「インザムード」(グレンミラー・オーケストラ)と「Tutu」(Miles Davis)の2曲。どちらもシンバルの鳴りがすごい。スティックでたたいた後の揺れている間の鳴りまできちんと聞こえる、とても透明感のある音でした。また、普通の音源だと、いろんなパートが横一列に並んで演奏している感じがするのですが、ハイレゾだと音に奥行きがあり、きちんと隊列で並んでいる姿がイメージできます。Miles Davisのトランペットだと、音の周りにまとわりついている息の音も聴き取ることができ、コンサートで実際に聴くよりも多くの音の情報を拾えるなと思いました。

クラシック

聴いたのは定番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と「第九」。オーケストラで驚いたのは弦楽器。なぜかというと音になる前の弓と弦がこすれる音まで聴こえるのです。これ普通客席にいたら聴こえないやつですよ。どんだけ情報量多いんですか。コントラバスの箱鳴りによる低音のふくらみもちょうどよく、ぼやけない程度に程よく再生されています。高音についてはとてもふくよかな印象を受けました。おそらく、ハイレゾ音源によって、普通のイヤホンでは聴けない高帯域の音が再生されているからでしょう。それによって、細く聴こえがちな高音も何層にもわたって重なったような重厚感すら感じられました。ジャズやオーケストラは、楽器本来が持つ生鳴りや演奏の臨場感を最も堪能できるジャンルだと思います。

ポップス・ロック

rhp

聴いたのは「あなた以外誰も愛せない」(JUJU)と「Hey Now(WALKMAN ver.)」(MAN WITH A MISSION)、Dark Necessities(Red Hot Chili Peppers)の3つ。

JUJUはピアノとストリングスが中心の王道バラードです。「息遣いまで聞こえる」という言葉がよくハイレゾのキャッチコピーとして使われますが、これは本当でした。息を吸ったときの音はもちろん、声と共にでる、声になりきらない息までもが聴こえるのには、背中がぞくっとしましたね。
MWAMみたいなロック系サウンドによくありがちなのが、左右のチャンネルに分けられていても、バッキングギターとリードギターがごちゃまぜになって良く聴こえないということなのですが、ハイレゾだとそんなことはなく、各楽器が良い意味で分離して聴こえるので、各パートの音がより明瞭に聞こえました。
レッチリは、バンドの代名詞ともいえるフリーのスラップがより輝きを増したような印象。スラップ独特のあの金属のような鳴りが、さらに鋭くなり、かつ「キイイィ…ン」と空気を震わせている感じさえもさせるほどリアルな音でした。

自分好みに音を設定しよう

各音源を聴きながらいろいろ設定をいじってみました。

clearaudioplus

「クリアオーディオプラス」を起動すると、自動的に音質が良くなります。この設定をONにしている間、他の音質関係の設定はできません。ていうかする必要がないほど本当に音が良くなります。

おっと、顔が映ってしまっているぜ…モザイクモザイク(苦笑)

クリアオーディオプラスをOFFにすると、イコライザー、DSEE HX、DCフェーズリニアライザー、サラウンド、ダイナミックノーマライザー(音量レベルの均一化)のON/OFF及び設定が可能になります。これらを駆使して自分好みの音にするのも良いですね。

イコライザーは7種類のプリセットと自分でカスタムできるイコライザーが2つ分用意されていますが、僕はフラットでも十分聴きやすかったです。SONYは個人的にけっこう低音を強調する印象があるので、それでもベースを強くしたいのであれば、低域はそのままで中域や高域を下げて相対的に低域を強調するような設定がおすすめです。サラウンドは「スタジオ」が気に入りました。

 

静かな曲ほど真価を発揮する

いろいろなジャンルを聴いてみましたが、「これがハイレゾか!」と感動したのはジャズやクラシック、バラードといった、比較的音数の少ない曲の方が多かったです。音が少ないと、その分1音1音が鳴らす音の空気感がものすごく感じられるんですよ。僕らが普段耳にする音そのものだけではなく、わずかに振動する空気から発せられる音も、ハイレゾ音源は見事に拾って再生してくれる。だから、それぞれの音に自然で立体的なふくらみを感じたのではと思いました。そして、それは特に高音でよく感じられました。控えめな曲でもこれだけの情報量を持っているのですから、トランスなどのダンスミュージックは情報が多すぎてちょっと耳疲れしてしまうかも。
また、EXTRA BASS機能など、重低音に力を入れているSONYですが、ハイレゾになると、低音がキュッと引き締まって芯のある音になるので、SONYの技術と相まってよりメリハリのある音を楽しむことができます。

普通の音源と大差はないと高をくくっていましたが、ハイレゾ音源、これは21世紀のものすごい発明ですよ。これを3万円弱で聴けるようにしてくれたSONY、やっぱりあなたは素晴らしい。

 

 

コメント

  1. […] 先日SONYのハイレゾウォークマン、「NW-A30シリーズ」でハイレゾ音源を試聴した記事を書きましたが、実はその日にSONY製Bluetoothスピーカーの音も聴いてきました。 […]