Firehawk FXのBritishアンプモデルを試してみた。

エフェクター

楽器屋で試奏している気分。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Sukeです。

前の記事からだいぶ日が経ってしまいましたが、本日はFirehawk FXのサウンドについて、特にBritish系アンプのサウンドについて紹介させていただきます。

概要編でも書きましたが、Line6のモデリング技術はすばらしい。録音した音を聴いたらなおさらそれを実感しました。

知りたいのは、「よく使う歪みの音」

個性的な音よりも、普遍的な音が知りたい

個人的な意見なのですが、ロックを好む人がまず気になるのは歪ませたときのサウンドだと思うのです。しかし、動画レビューなどを見るとコーラスやらワウやら、いろいろな効果を試しているものが多く、ドライブサウンドといってもかなりひずませたときのレビューばかり目にします。まあ、自身がハイゲインアンプの質をアピールしているからしょうがないのかも。

ただ、僕らが知りたいのは、いつもさまざまな楽曲で耳にするクランチ~オーバードライブのサウンドではないでしょうか。というわけで、今回はすべてアンプだけで作ったサウンドと、それにオーバードライブのストンプを噛ませたサウンドの2つで録音してみました。

 

録音準備

録音環境は、Gibson Les Paul Special (Japan LTD)とFirehawkをProvidence LE 501で繋ぎ、Firehawkから直接USBでPCと接続。至ってシンプル。Firehawkの設定はすべてiPhoneで行います。

このレスポール(通称「長老」)とは8年の付き合いですね。サークル時代はこれ1本でずっと通してきたので、幾多もの傷がついております。ちなみにピックアップポジションは、全てリアで録りました。アンプ側の設定は、モデルによってすべて変えましたが、比較しやすいようにオーバードライブストンプだけは同じ設定にしました。

TubeDeiver

 

 

 

 

 

Tube Driveは、自分の中で一番使いやすい歪みストンプです。

Firehawkのアンプは、「Clean」「American」「British」「High Gain」の4つにジャンルが分かれています。Britishというのは、その名の通りMarshallやVOXなどの英国発のアンプを指しています。

名前からなんとなく何のアンプをモデルにしているのか想像できますね。アイコンもあるから、直感的に「あ、あのアンプか」と捉えることができるでしょう。「British」ジャンルの中には10個のHDアンプモデルと、18個のアンプモデルがあります。HDアンプはHiwatt、Vox、Marshallモデルのみですが、通常のアンプモデルにはOrangeのモデルもあります。

では、Marshallモデルからいってみましょうか。最初は、Marshall Park75を再現した「Brit P-75」を試したいと思います。

使いたいアンプをタップすると、画像のように棒グラフ状のパラメーターが表示されます。ちなみにHDアンプモデルだとパラメーター及び画面左上のアンプのアイコンは青色で表示され、通常アンプモデルだと赤色で表示されます。各種パラメーターはタップしながら左右に動かすだけで簡単に調節ができます。HDアンプモデルだと、BiasやSagなども調節でき、細かなニュアンスの表現までこだわることが可能です。これがスマホで完結するなんて素敵すぎません?

また、「CAB」というところをタップすると、マイクの位置や機種を選択する画面に移り、さらに左上のキャビネットのアイコンをタップすると、キャビネットモデルの選択画面に変わります。アンプモデルを選んだ時点で、それに合ったキャビネットモデルが自動的に設定されるのですが、あえてアンプヘッドはMarshallでキャビネットはFenderにするなど、現実でやるには難しい組み合わせももちろん可能です。

 

いざ、実「奏」!

準備が整えば、あとは演奏あるのみ!どのモデルも「アンプのみ」→「+Tube Drive」という順で録りました。

Marshallモデル

[Brit P-75 Normal (Marshall Park 75がモデル)]

[Brit J-800 (Marshall JCM-800がモデル)]

これはすごいですね。ちゃんとMarshallの音がする。ブリティッシュアンプの中でもMarshallアンプは結構ジャキジャキに鳴るイメージがあるんですが、ちゃんとそのトレブリーな感じが出ています。P-75はコード感もはっきり残っていますね。
ただ、歪みを限りなく抑えてクリーンにすると、ものすごくか細い音になってしまうので、Marshall系はある程度アンプ側で歪ませた上で使うのがおすすめです。また、低音も強く出るので、Bassを低めに設定しておくとより良いかも。

 

Vox、Hiwattモデル

[Class A-30 TB (Vox AC30 Top Boostがモデル)]

[Hiway 100 (Hiwatt DR-103がモデル)]

A-30のクランチサウンドはとても気持ちいですね。Britishジャンルの中では、この音が一番気に入っています。Hiwayはからっとした感じで、どこかアメリカンな匂いもしますね、個人的には。収録はしていませんが、Hiwayのクリーンはかなりきれいで、エフェクターの効果がとても素直に出せそうな気がしたので、アンプ側よりも、エフェクタ側で歪みを作ると良いと思います。

また、これも収録していませんが、Voxモデルは歪ませすぎると音がこもるのでご注意を。特にフロントピックアップを使うとかなりぶちぶちな音になって使い物にならなくなります。使うならリアかセンターがおすすめ。

その他モデル

[Brit Gain 18 (Marshall 1974Xがモデル)]

[Citrus D-30 (Orange AD30TCがモデル)]

通常モデルから、2機種を選んで演奏してみました。ACIDMANファンとしては、Orangeモデルがあるだけでも感激なのですが、その音もすばらしい。クランチでは分離感があるのに、ドライブさせると密度の濃いジューシーなサウンドになるところはまさにOrangeそのもの。Gain 18も、コンボタイプということもあって、他のMarshallアンプとは一線を画すサウンドで結構おもしろい。バッキングと相性がかなり良い感じがします。

ただ、どちらも帯域が狭いような印象を受け、音の情報量や空気感で言えば、やはりHDアンプに軍配が上がります。それでも、主力サウンドに十分なれるクオリティは持っています。実際、僕はオリジナル曲のバッキングにCitrus D-30を主に使っています。

骨太なロックが弾きたくなる

Firehawkを買ったときはすぐにCitrus D-30の音が気に入り、他のモデルに触れてこなかったのですが、こうしていろいろ試してみると使えそうなサウンドがまだ沢山あるのに気づきました。一口にMarshallといっても、それぞれのモデルの特徴がよく表れていて、「別のアンプ感」がはっきりと感じられました。バッキングにP-75、リードにJ-800など、役割によって使い分けたいですね。総じて「Britishアンプ」は、カッティングというよりは、パワーコードやオクターブ奏法でガシガシ弾きたくなるようなサウンドだと思います。

Firehawkには、歪み以外にもさまざまなエフェクトが搭載されているので、無限に多彩なサウンドを生み出すことができるでしょう。それも、スマホを操作するだけで。Firehawkを知り尽くすには、まだまだ時間がかかりそうです。

 

 

 

コメント

  1. […] 前にレビューした「Firehawk FXのBritishアンプモデルを試してみた。」が思いの他多くの方にご覧いただけているようなので、Americanアンプモデルもレビューしてみたいと思います。 […]

  2. […] 【Firehawk FXのBritishアンプモデルを試してみた。】 […]

  3. […] 僕の中で、Marshallの歪みは、特にブリッジピックアップと合わせたときに平べったくなる印象があり、それはおそらく多くのスタジオでJCMやJVMといったハイゲインなアンプが置かれていて、その音に慣れたからだと思います。ですが、CODEのレビュー映像を見て、「同じMarshallなのにこんなにキャラクターが違うの!?」って、Marshallのいろいろな顔を発見することができました。それくらい、各アンプの特徴を、CODEは忠実に再現できているということです。特にJTM45。本来歪ませるようなアンプではないものを無理やり歪ませたようなブチブチ感は、僕の今までのMarshallに対するイメージにはない音でした。「良い感じに歪めばOKでしょ」っていうような妥協が一切感じられない音ですね。 「本家だからこの音を作れたんだ」と最も強く感じたのはBluesbreaker。JTMをコンボ化したBluesbreakerモデルの音は、所有しているLine6のFirehawkでは絶対表現できません。Firehawkにも同じコンボタイプの1974Xをモデルにしたサウンドがあるんですが、このようなジャキジャキしたクランチは不可能です。FirehawkのMarshallモデリングは歪ませるのが前提のような音なので、再現度は完璧にCODEに軍配が上がります。 ※FirehawkのMarshallアンプモデルのサウンドについては、こちらの記事からどうぞ。 […]