AFOCの「NEW TRIBE」でおすすめしたい5曲。

BEST 5シリーズ

今作も最高にRock ’n’ Rollでした。

本日も創音においでいただき、ありがとうございます。
On-Suke(0n_Suke)です。

さて、a flood of circleが2017年1月18日に発売した7枚目のアルバム、NEW TRIBEが発売してからおよそ3週間が経ちました。THE PINBALLSのミニアルバムが発売した時のように、もうほぼ毎日1周聴いている状態です。ええ、それくらい良作でした。
とは言いつつも、今はまさかの宇多田ヒカルを聴きながらこの記事を書いています(笑)

NEW TRIBEのレコーディング詳細などは、過去の記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。

今作にはAmazon限定盤がありまして、Vo.佐々木亮介さん執筆の楽曲解説書という特典がありました。

迷うことなく選択…したはずが、なぜか通常盤も注文してしまっていて2枚届いたときはびっくりしました。無意識に愛があふれていたようです(笑)

個人的に特におすすめしたいと思った5曲

では早速、全12曲中個人的に最も気に入った5曲を紹介したいと思います。ランキング順ではなく収録曲順に紹介していきますのでご了承ください。

1. NEW TRIBE

a flood of circle – New Tribe

今作のリードトラック。いいですね。「始まるっ!」って感じがものすごいします。イントロのリフはけっこうシンプルですが、バックにあるリズムやサウンドの重なりがその単純さを見事に打ち消しています。何気にアコギがずっと細かくジャカジャカ弾いているのが大変そうだなぁと思ったり。

歌詞は花やBLUEに通ずるような、AFOCの軌跡を表現している内容だと感じました。

生まれ変わるのさ 今日ここで変わるのさ
不可能の壁を 壊し続けて
生まれ変わるのさ 今日ここで変わるのさ
君を連れてく 約束の地へ

(a flood of circle 「NEW TRIBE」より)

傷ついても進んでいく、だから付いてこい。その生き様がよく伝わってきます。

2. Flyer’s Waltz

a flood of circle – Flyer's Waltz

アルバム発売前にシングルとして出た曲。出だしの3拍子がテケテケ感満載でサーカスのおどけた感じがよく表れていますね。

…と思いきや、いきなり8ビートで「レディース&ジェントルメーン!」
十数秒でワルツ終了。思いっきりロックンロールでした。この落差にやられましたね(笑)

一番ドラムが頑張った印象を受けます。ワルツのリズムといい、途中で急ブレーキするような8ビートや3連符といい、たくさんのリズムパターンがこの1曲に詰め込まれていて、まさにバラエティ豊富なサーカスみたいです。

3. El Dorado

最近のAFOCのアルバムにときどき見られる言葉詰込み系トラック。解説書によれば、「ラップじゃなくてバンドサウンドだからこそできる日本語の面白い聴かせ方」を模索した曲だそうです。確かにこれラップじゃないよ。ラップこんなにシャウトしないしこんなにアツくないよ(笑)

「El Dorado」はアマゾン川のあたりにあるとされた黄金の国を意味するスペイン語で、歌詞全体が中世ヨーロッパの大航海時代をモチーフにしています。ですが、その内容があまりにもAFOCの生き方そっくりで、ああ、彼らは「大航海」をしているんだなとしっくりきました。

かかってこいよ吹き付ける風 避ける気もないよ打ち付ける雨
もっとデカイ声じゃなきゃ聴こえないよ この嵐の中を生き抜け

(a flood of circle 「El Dorado」より)

4.The Greatest Day

熊本地震後の鹿児島ライブで被災した方と出会ったことがきっかけで生まれたそうです。バックグラウンドを知らないとただの良い曲で終わってしまいそうなのですが、ひとたび知ってしまうと見方がかなり変わります。

一見するとただ楽しい日を「The Greatest Day」と名付けただけのように思えなくもないですが、本当は哀しみに打ちひしがれている人たちを歌で支えるとても強い気持ちが込められていていたのですね。残響系のエフェクトと相まって胸にひしひしと伝わってきます。力強い応援ソングです。

5. Honey Moon Song

AFOCのアルバムはだいたい最後は明るく終わっていますが、今回もそのルールは健在だったようです。
AFOC流結婚ソングとでも言いましょうか。直球な歌詞が逆にすがすがしくていいですね。

この曲のタイトルにある「Honey」にちなんだのか、本当に蜂蜜の瓶をスライドバーにして弾いたらしいですよ。マルチトラックによる音の厚みに注目です。
最後はアコギとコーラスのみになって消えていくのですが、恋人二人が宛てもない旅へ出かけていくような放浪感があって、良い雰囲気でアルバムを締めくくっているなぁと感じました。

いろいろな挑戦がなされた意欲作

今作NEW TRIBEの意味は、直訳すると「新民族」。AFOCの新しい何かが始まりそうな、そんな期待を寄せたくなるようなタイトルですね。

現にNEW TRIBEは、ベストアルバム「THE BLUE」発売後初めてのアルバム。ベストという一つの節目を迎えたAFOCの新たな挑戦という立ち位置でもあるのではないでしょうか。

ギターが変わった

実際に、ギターの音色に大きな変化が出ています。MVやライブ映像を見る限りだと、アンプがVOXからBad Catに変わっていまして、これがけっこう大きな影響を与えていると考えられますね。

個人的なイメージだけで言えば、Bad Catの音ってけっこうジャキジャキしているイメージなんですが、むしろ昔のVOX時代よりも「シャーッ」って感じの、上のところで面として鳴っている感じがします。昔よりさらに音が軽くなった印象を受けましたが、そこはHISAYO姐さんのベースがどっしり支えているので不快には感じませんでした。

ドラムがさらにプログレッシブに

ギターも変わりましたが、ドラムもかなりリズムパターンに意匠を凝らしていると感じます。どれもカテゴリ分けすればシンプルな8ビートや2ビートなんですが、スネアを一音足したりオープンハイハット一発で二拍近く伸ばしたりなど、ところどころで変化球を加えているので、飽きが来ません。

この傾向はけっこう前から感じていて、特に感じたのはKIDSだったかな。今こそ聴き慣れたので違和感なく聞けますが、2番Aメロの2ビートを初めて聴いたときは「そこに入れる!?」ってとても驚きました。耳が順応するまでけっこう時間がかかりましたね。

でもいろいろ試行錯誤した結果だからでしょうか。今作はどの曲もリズムパターンがドンピシャにはまっていると思います。はまっていながらも変化があるので、本当に最後まで自然とぶっ通しで聴ける作品でした。

多くの挑戦に挑んだ意欲作、NEW TRIBE。新しいAFOCの世界をぜひあなたの耳で覗いてみてください。

 

 

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